都市防災への理解を深めるため、防災対策に力を入れていると言われる日本とアメリカでの防災に関する歴史をまとめたいと思います。
参考文献は「都市防災」吉井博明著 講談社現代新書出版。
まずは日本における防災体制について。
明治〜戦前
明治政府は廃藩置県後、それまで各藩毎に行われていた被災者救助制度をまとめ、全国一律の制度として再発足。この制度には被災者に食料15日分と家屋建築費を貸与する「窮民一時救助規則」と租税の減免・徴収猶予を定めた「凶歳租税延納規則」の二つが含まれていた。
明治13年、この両規則を一本化。国と府県による備荒儲蓄法が制定され被災者救助制度は拡充。
しかし明治23年以降、災害が頻発。儲蓄金が底をつくようになり、また地方自治制が施工されたため、備荒儲蓄法は府県を中心とする罹災救助基金法へと受け継がれる。この法律の特徴は被災者を財政面で支援する事にあり、その主管省は大蔵省であった。
災害救助に関する国の役割は基金管理に限られており、実際の救助業務は府県が中心になって行われていた。
戦後・災害救助法の成立
昭和21年、南海地震において被災者に対する救助の程度が府県によりばらつきがあった事、救助対象物資が明確でなく、さらに救助に要する資金の不足があった事などから被災者救助に関する法律の全面見直しが行われた。
その結果、罹災救助基金法の基本精神である、被災者の救助を資金面から支えるという国の役割を抜本的に見直し、基本的生活権の保護と社会秩序の保全を目的とし、国の業務として救助を行うことを規定。災害救助資金はその財政部門という位置づけに変更された。同時に主管官庁も大蔵省から厚生省へと変更した。
昭和21年の南海地震以降、相次いで大災害が発生。
昭和22年 キャサリン台風
昭和23年 アイオン台風に加え、福井地震の発生
昭和24年 デラ、キティ、ジュディス各台風
昭和25年 ジェーン台風
昭和26年 ルース、ダイアナ各台風
その間政府は、水防法の制定、災害復旧事業費を国が全額負担するシャウプ勧告の実施とそれを引き継いだ公共土木事業国庫負担法などの防災関係法を成立。
昭和27年 十勝沖地震
災害対策基本法の成立
昭和34年伊勢湾台風
「名古屋は台風が必ず反れる」という油断から大きな被害を生む。死者・行方不明者5098名
この教訓から政府は災害対策の総合化・体系化に取組むことを決断。
昭和36年 災害対策基本法の成立
アメリカの防災の歴史は次の記事参照。